校長だより【35】  010626 1F(小集団)国語総合(現代文)(2単位)

田所先生の 『羅生門〜下人裁判による対話的で深い学び〜』 

 

 田所先生は大学出たての新採用の先生で、今年度は74期生1学年の副担任をしています。広報・情報グループで中学生に向けての広報の仕事や生徒の地域貢献活動などを担当しています。部活動は、ご自身も中学高校とキャプテンとしてプレイされていた男子バスケットボール部の副顧問を務めており、試合ではいつも主顧問三橋先生とともにベンチに入っています。

本日は、高校国語の古典的定番、芥川龍之介の作品『羅生門』が題材の研究授業です。「思考力・判断力・表現力」を育む深い学びを目指して、グループ学習を取り入れた「下人裁判」という授業を組み立てました。学習活動の流れは次のようなものでした。

@  まず、「下人(げにん)は有罪なのか無罪なのか」について、各人が自分の意見を持つことからスタートします。バタフライチャートという蝶々の形をしたワークシートを使って、「下人の行動は有罪である」というトピックに対し、大賛成・賛成・反対・大反対の4つすべての立場から自分の意見を書きます。

A  続いて、有罪主張班2つ、無罪主張班2つの4つの班に分かれて、自分たちの主張がより説得力を増すよう皆で自班の主張の発表原稿を作成します。

B  次に、各班「スパイ」と「サポーター」を一人ずつ選出し、自班と異なる主張をする班に「スパイ」を、同じ主張をする班に「サポーター」を派遣します。

C  他の班から持ち帰った意見や論拠を反映させ、自分たちのスピーチ原稿を修正して、最終的に主張文のスピーチをしあげ、有罪班・無罪班それぞれが発表します。

D  有罪と無罪の2つの班の主張を聴き、どちらがより説得力があったか「裁判員」(残りの班)が挙手制で判決を下します。

E  1)論理的な主張文が作成できたか、2)グループで協力して主張できたか、3)総合評価の3点で振返りをおこない、ワークシートを仕上げます。

 ワークシートも、授業の流れも、入念に準備され組み立てられていました。グループの垣根を越えて他グループに「スパイ」を送り込むしかけや「思考の跡を書いて残すワークシートづくり」が素晴らしいし、机間指導もきめ細やかです。また、生徒達は各段階で今するべき学習課題に集中し、関係ない私語をしている者は一人もいません。話していない生徒も、他の生徒の意見を真剣に聴いています。しかもみんな笑顔で楽しそうに取り組んでいました。

 

 もう一つ感心したのは、田所先生は学習の進め方のルールを説明してはいるが、直接学習内容を教えることはしていないという点です。「先生」って自分で話すことや教えることが大好きなので、生徒に考えさせ、生徒に表現させなければいけないのに、どうしても介入しすぎてしまいがちです。しかし、田所先生は、「こんな意見もあるよ」と口をはさむことは決してせず、ひたすら生徒達の発言に耳を傾け、積極的に褒めて回っています。

 本日は時間の関係でCの発表を完了するところまではたどり着けませんでしたが、今後が大変楽しみな、素晴らしい授業でした。新人、恐るべし! Keep Going!