校長だより【34】  010611 2B 現代文B(2単位)

木目田先生の 表現力と読解力を育成する 『旅する本』 

木目田先生は新採用として着任してから3年目の先生で、今年度は73期性2学年の担任をしています。男女バスケットボール部の副顧問で、試合には必ずチームカラーの紫色を身につけて応援サポートに出かけられています。

 

本日の授業は、石田衣良さんの作品『旅する本』が題材です。まず、作品の内容です。・・・白紙の本が公園のベンチに置かれていて、縁あって拾った人が読むと、そこに文章が浮かび上がってその人の気持ちに寄り添った物語が始まる。その本は読む人によって内容が変わるが、悲しみを癒したり、勇気をくれたり、読み終えた人に必ず前に進む希望を与えてくれる素敵な物語が展開されるのだ。・・・

教科書で内容を学習し終わった後に、自分だったらどんなストーリーを紡ぎだすだろう? と生徒全員が作家となり、自分のオリジナルストーリーを原稿用紙1枚400字ほどで書きます。この自己表現活動に前の授業時間を使っていますが、今日はいよいよ、出来上がった互いの作品を読みあう共有の時間です。その共有の方法が素敵でした。

 

 今日の授業の段取りを説明したあと、40名の作品が、アットランダムに1人1つずつ配られました。1人10枚の小さなカラフルな付箋も配られました。

生徒達は、じっくりと、自分のところに来た作品を読み進めます。そして読み終わった人から感想を付箋に書いて原稿用紙に貼り付け、その作品を前方の教卓横の机に戻します。そして、代わりに前の机から別の作品を1つ取って自席に戻り、読んで感想を書くという同じ作業を繰り返します。

10人の作品を読むのが目標です。お休みの生徒がいて、余裕があったので、私も生徒に混じって、いくつかの作品を読ませていただきました。なんと5枚に及ぶ超大作もあれば、映像が浮かび上がるような、玄人並みの力作もありました。

 戻ってきた原稿には、たくさんの付箋がついています。次はどれを読もうかな?

 

最後に生徒は、クラスの大賞作品を選ぶ投票をします。作品には作者名は書いてないので、誰が書いたのかは判らないようになっていますが、作品番号がついているので、それを記録して、番号で投票します。その作品を選んだ理由と、他の人の作品をたくさん読んで感じたことなどの感想も記入し、提出します。

 

今日は、投票用紙と毎時間提出している振返りプリントを提出したところで時間となりました。この後木目田先生は、まとめのプリントと作品につけられたすべてのコメント、振返りのプリントに目を通して、次の授業で大賞を発表し、フィードバックします。

 

生徒の皆さんは、授業中ほとんど声を出すことはなく、黙々とクラスメイトの作品を読み続けました。教室は最後まで、「もっとたくさん他の作品も読みたい!」という気持ちに溢れていました。付箋に書くコメントも、必ずいいところをほめてあります。前の人がつけた付箋と同じ言葉ばかりにならないように、工夫して暖かい言葉を書いています。

 

静かだけれど、脳はアクティブ。一生懸命、読みたくて、脳をフル回転させて読んでいること、そして相手の悩みを受け止め、共感し、どんなコメントを書こうと真剣に考えていることが素晴らしいと思いました。次の時間、クラスメイトのコメントがいっぱい付いた作品を返されるのが、きっとすごく楽しみなことでしょう。

木目田先生は、「まずは書くことは楽しいということを一人ひとりに実感してもらうこと」をこの授業の目標としています。そしてみんなからのコメントを読んで、「書く力」や「表現力」に自信をもって欲しいと言っています。この続きの授業もぜひ拝見したいと思いました。