校長だより【33】  010528 3EFG理系 化学(6単位)

吉良先生の実験で進める化学 コロイド溶液の性質

 

吉良先生は本校に勤務して6年目になられる生徒活動支援グループの総括教諭で、2学年担任の一人です。弓道部の顧問をしていらっしゃいます。

 

「今日の授業は実験です!」と聞くとなんとなくワクワクして、嬉しかったのを覚えています。皆さんはどうですか? とはいえ、受験生に教えなければいけない教科書の範囲は広く、「そう毎回実験ばかりしているわけにはいかない」というのも理科の先生からよく聴く言葉です。

 

 吉良先生は、昨年度から『実験で授業を進めても授業進度は落ちることなく、深い学びにも有効である』との仮説のもと授業研究を進めていて、効果をあげています。実験をイベント的にたまにやるのではなく、週に1回程度のペースで行っています。

 今日の授業はコロイド溶液の性質を学びます。コロイドって何? というところから授業は始まりました。分散媒の中に分散質が均一に分散している状態をコロイドと言います。宝石のオパール、おいしいゼリー、ふわふわのマシュマロ、お習字に使う墨汁、マヨネーズに牛乳、空の雲も、雲に掛かる『天使のはしご』も、みんなコロイドなんですよ、と身近な例を挙げて興味を喚起します。「へぇ〜!」と言う驚きの声がたくさんあがりました。

 まず、生徒を教卓前に集め、線香の煙にレーザービームを当てる演示実験から始まりました。お線香の煙もコロイドなんですね。コロイド溶液に光を当てると、粒子が散乱し光の軌跡が見えるこの現象を『チンダル現象』と呼ぶことを確認します。続いてモニターを使って牛乳の分子の衝突による微細な運動『ブラウン運動』の観察。その後、生徒達は班毎に以下の4つの実験をします。

 

@   コロイド溶液の作成―沸騰水に塩化鉄(V)水溶液を入れる。

A   凝析―@で作った塩化鉄(V)水溶液に硫酸ナトリウム水溶液を加えて変化を観察する。

B   透析―セロハンチューブに赤インク水を入れて閉じ、シャーレに入れて上から食塩をかける。シャーレに出てきた水の色を観察する。

C   塩析―卵白水溶液に食塩を少々入れ、沈殿の有無を見る。同じく硫酸アンモニウム水溶液を入れ沈殿の有無を観察する。

 

出来上がったコロイド溶液にレーザービームを当てて光の筋が見えるか確認しています。右側の黒と白の機械からレーザービームが左方向に出ています。ビーカーの中に赤い光の筋が見えますか?

 

実験の威力は大きいということ、学びにおける「百聞は一見にしかず」の力を感じる授業でした。

最後に、生徒は明日までに、教科書の所定の2ページを見てプリントを完成することを求められました。宿題です。もうだいぶ書き込んである生徒もいるわけですが、復習の調べ学習にこの生徒達はきっときちんと取り組み『自学』の時間を持つことでしょう。

やった実験の意味がいま一つ、つかめていなかった生徒も学び直し、実験がうまくいかなかった班も、本来出たはずの結果を再度深く学び直すことになります。3年理系選択化学の授業は毎日あります。