青空をバックにした木の写真。校長室コラムのイメージ画像です。

3月1日 卒業式祝辞

校長写真

 明るい春の光が感じられる、今日の佳き日に、神奈川県立厚木東高等学校第68回卒業証書授与式を挙行できますこと、心から感謝申し上げます。

 68期生264名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。これまで皆さんが積み重ねた努力を心から讃えたいと思います。

 本日のこの喜びは、卒業生の皆さんのたゆまぬ努力の結果であることは言うまでもありませんが、皆さんが「今ここに在ること」は、皆さんのことを絶えず気遣いながら、支えてくださったご家族を始めとする周囲の方々の励ましの賜物です。卒業という人生の一つの節目において、そのことをしっかり胸に刻んでほしいと思います。

 卒業生の皆さんは、東高で3年間、学業、学校行事、部活動と全力で走り抜き、充実した高校生活を送ってきたことと思います。創立から109年の本校の歴史に新たな風を吹き込み、更なる飛躍の一歩を記してくれたと感じています。そして、皆さんが常にお互いへの思いやり、優しさを大切にしてきたことを誇りに思います。

 東高で過ごした日々は、皆さんにとってどのような時間だったでしょうか。この体育館で入学式に臨んだときの自分を思い出してください。そのときの自分と、今の自分とは同じですか?違っていますか?どこが変わりましたか?

 これから皆さんが進む道は、決して平坦ばかりではないかもしれません。歴史の中で、人が様々な苦難を乗り越え、それを踏まえて創りあげられてきたものがあります。過去から学び受け継いだ私たちにとってそれは「いつもあるはずのもの」であり、「守らなければならないもの」です。ところが最近、その「いつもあるはずの」「平和」や「国際協調」が、いつのまにか揺らいでしまうのではないか、と思う瞬間があります。

 昨年、ノーベル医学生理学賞を受賞された、北里大学特別栄誉教授の大村智さんは、受賞に際し、こう述べられました。 「アフリカの悲惨な病気を(自分の薬で)撲滅できると知った時には、人類に貢献できたと感じた。」

 大村さんの言われる「人類に貢献」ということは、私自身にとっては、あまりに遠いことのように思われますが、「お互いに貢献する」ということなら実践することができるのではないでしょうか。 私たち一人ひとりの中に、「お互いに貢献する」という意識がある限り、「いつもあるはずのもの」そして「守らなければならないもの」を守ることはできると思います。本当の意味でのグローバルな社会の実現のために、皆さんの知恵と力が大いに期待されるところであります。

 今日の門出は、新たな学びへのスタートです。今日まで学び、身につけたものを基に、さらに豊かな自分を育ててください。あきらめず、逃げることなく、投げ出さずに自分を大切に育ててください。

困難な場面にあったとき、
・あきらめるのでなく、ゴールへの道順を変えてみる、
・逃げるのではなくて、見方を変えてみる、
・投げ出すのではなくて、ちょっと距離を置いてみる、

 東高で過ごした時間が、皆さんに、そのような柔軟さをもたらしたと信じています。そして、困難に出会ったとき、誰かの、或いは何かのせいにするのではなく、「結局は自分が選んだ道なのだ」と自信を持って、責任をもって進んでください。

 あなたが生きていくことは、あなた自身のためだけではありません。他の誰かの生き方があなたの生きる力となっているように、あなたの生き方が他の誰かの生きる力となっているのです。

皆さんの未来に大いに期待しています。

 さて、本校の職員は、皆さん一人ひとりの個性を尊重しつつ、皆さんが、社会の一員として、主張すべきことと、他者の意見を尊重すべきことをきちんと見極めることができるように、励まし、支えてきました。そして、皆さんが心の底から「そうだ、わかった」と実感できるようにするにはどうしたらよいかと悩み、ときには苦しんできました。その様子を私は3年間、間近で感じてきました。不器用な場面もあったかもしれない、けれども、その一瞬一瞬は確実に皆さんの成長のために捧げられてきました。皆さんの卒業を見届けて、今年度いっぱいで退職を迎える職員もおります。また、残念ながら体調を崩し、本日出席できない担任もおりますが、職員一同、これまで皆さんとしっかりと向き合えたことは、たいへん幸せだと感じています。

 保護者の皆様には、本日まで、学校の教育活動に深いご理解をいただき、心より感謝申し上げます。

 最後になりましたが、ご臨席いただいたご来賓の皆様、戸井田PTA会長様、本校同窓会の常盤会山田会長様、本日は誠にありがとうございます。また、PTAのOB会である王子会の原田会長様、学校評議員の池田様、いつも生徒の活動を励ましていただきありがとうございます。

 それでは、卒業生の皆さん、皆さんの新たな一歩とそれに続く輝かしい未来に、心から期待して、式辞とさせていただきます。お健やかに。

卒業式